性の目覚めとわたし

 気が付けばオナニーをするのが普通だった。

 あれは中学生の頃だろうか。性教育が保健の授業で行われていたけど、どうやったら精子がでるのかはわからなかった。学校から帰ってきた後、ふと「ちんちん」をしこしこしていると何だか気持ちよくなり、このままやり続けるとどうなるのかと、試したくなり、その後も「しこしこ」すると、震えるほどの快楽がやってきて、今まで出てこなかった精液が、ドピューっと出てきた。発射した後は、気持ちよさと嫌悪感に襲われた。その精液の処理にも困ったのを覚えている。

 初オナニーエピソードはこんなもので、これをきっかけにオナニーが始まる。中学生の時にはパソコンとインターネット回線は繋がっていたもので、「おかず」には困らなかった。毎日オナニーをしていただろう。

 大学生になり、親元から離れた。手でしごくだけでは物足りず、アマゾンで「オナホール」を買った。本音を言えば、女の子とエッチをしたかったのだけど、勇気と自信がなかったのである。オナホはきっと「膣」と似たようなもので、どんなものか体験してみたかったのだ。

 初めてのオナホは、中学生の初オナニーと比べると鮮明には覚えていないけど、「腰が抜ける」言葉が一番適格だった。しごくときは、亀頭に纏わりつく感覚は得られないのだけれど、オナホはそれを与えてくれた。そんなこんなで大学生のときは、オナホを多用したオナニーに目覚める。

 社会人になった。オナホは片づけるのが面倒で結局しごいて済ませることが多くなった。社会人になったくせに道程のままでこじらせ人生を歩んでいくことになる。

 私は今32歳なのだけど、今年の2月にショックなことが起きた。いつものようにオナニーをしようと思いしごきはじめると立ちが悪いのである。仕事で忙しさもあったのかもしれないが、これは自身にとって大きな悲劇であった。32なのに童貞でしかも立ちが悪くなっていく現実、加齢を認めたくないが現実は歳をとったのである。

 それがきっかけで今年の2月から風俗に行くのであった・・・。